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AWS Summit 2022に登壇しました

当ブログを運営しているシナジーマーケティングが、AWS Summit 2022に登壇しました。このような大きなテックイベントに登壇したのは初の経験。準備や収録の様子をお届けします。

馬場 彩子(ババ アヤコ)
CTO。梅雨ですね。夏が待ち遠しい。夏休み、どこ行こうかな。


AWS Summit とは

AWS Summit Online は 延べ35,000 人が参加する日本最大のAWS イベントです。2022年5月25日26日の二日にわたり開催されました。昨年に続きオンライン開催です。AWS 自身が自社のサービスを紹介するセッションや、パートナーセッションなどさまざまなコンテンツが用意されていました。シナジーマーケティングは50ある事例セッションのひとつとして、講演しました。

セッションで話したこと

当社では 2020年より Synergy! の基盤をオンプレからデータセンターに移行するプロジェクトを実施し、2022年5月に完了しました。プロジェクト名はFROG。インフラをかえるので、FROGと名付けました。

カエルの腕組みは、どこか余裕を感じさせる老舗のプライドを表しています。 残念ながら、ひーひー言いながら移行していましたが、やりとげたからいいよね。

当日はこのFROG プロジェクトに関して、馬場とFROG プロジェクトのPMである寺岡さんの二人で話をしました。 セッションタイトルは、18年目の SaaS 「Synergy!」の AWS 移行とモダナイズへの挑戦。 今回の講演は、15 年以上システムを運用・提供している中小 (SaaS) ベンダーとそのエンジニアに向けた内容にしました。

まず、私から、AWS へマイグレーションすると決断にいたった経緯をお話ししました。Synergy! は20年近く運用している巨大なシステム。インフラに課題があることは認識していましたが、仕組みを大きく変えよう、とエンジニアから提案するのは怖いんです。そこで思考停止せず、準備をした上で変化に踏み切ったことを説明しました。

その後の本編は寺岡担当です。そうは言っても困難なマイグレーション。しかもマイグレーションを成功させるためにモダナイゼーション= コンテナ化を同時に実行する選択をしました。この大きな変更を事故なく成功させるために、「小さく、少しずつ、学習しながら」マイグレーションを実施する方針をとりました。2年半の移行の様子を、技術的な工夫や発見を踏まえて発表しました。

AWS Summit 登壇までの道のり

はじまりは、担当営業さんからのご連絡でした。

AWS Summit が今年も5月25日 - 5月26日に行われます。
Synergy Marketing様の取り組みは他社様にも知って頂きたい内容であるため、お客様事例として登壇して頂けないでしょうか?

3月頭にセッションタイトル確定、3月中旬に収録というスケジュールになります。
アカウントチームとして、登壇に向けての資料作成等もご支援させて頂きますので、是非ご登壇に協力頂けると幸いです!!

開発系のイベントでは自ら立候補して登壇することが多いのですが、登壇の依頼をいただいたことに、最初は困惑してしまいました。収録のタイミングでプロジェクトが終わっていないことも気がかりです。そのため、翌日すぐにお話をうかがいました。

AWS 様がいうには

  • 今回のAWS Summit のテーマ にマイグレーションとモダナイゼーションがある。シナジーマーケティングは両方に当てはまる。
  • シナジーマーケティングを担当するAWSの部署で担当企業は1000以上あり、登壇は数枠。シナジーマーケティングの事例 はそのひとつに選出された。
  • 多くの企業を支援しているが、やりとげることは非常に困難であることを実感している。やりとげたことをシェアしてほしい。

日々目の前のことを実施していると、自分たちの実現したことが大したことではないような気持ちになります。ただ、多くの関わった人のためにも「やりとげたことをシェアしたい」と感じ、お受けすることにしました。

その後は、AWS 様にアジェンダや資料、登壇内容を随所でレビューしてもらい、仕上げていきました。寺岡さんの登壇内容をレビューしてもらっているときに

マイグレーション途中の レイテンシーの問題は、多くのお客様がはまるポイント。そこを設計に取り込んでいるのは素晴らしいです。これは AWS ソリューションアーキテクト の発案ですか?

とお褒めの言葉をいただいたのは、誇らしかったです(この方式はシナジーマーケティングの 発案です)。ソリューションアーキテクトの方に、「図がシンプルすぎる!めちゃくちゃ大変だったし、もっと複雑さと凄さがわかるような資料にしましょう!」って再三言われたのも印象的でした。

そんなこんなで準備を進め、収録の日を迎えました。

収録!

ど緊張!

カメラも3台、あったよ

おわったー

本番!

動画には字幕がつき、大本番の5/26に全世界に公開されました。 当日は社外の人にもみていただいたようで、過去当社システムに関わった複数の人から「あのシステムを完全に移行したとは、本当にすごいです!感動しました!」という声をいただき、長く愛されているシステムであることを再認識できました。

当日はなぜかシナジーマーケティングでは障害訓練を行っていました。エンジニアは「AWS Summit みながら待機」という指示が出されていたので、視聴者は若干おおかったかもしれません。動画の放送がおわったくらいのタイミングで、事故発生担当の寺岡さんが検証環境のDBをフェールオーバーさせていました。新しい基盤を安全に運用するチームづくりも着々と進んでいます。

登壇を終えて

実は収録はまだ移行プロジェクトが終わっていない段階でした。特に寺岡さんはプロジェクトマネージャーをやりながらの準備は大変だったと思います。

ただ、それでも登壇してよかったと感じています。

特に、寺岡パートです。資料だけみるとあっさりしているんですが、間を埋めている言葉で、ひとつひとつ丁寧に考えながら進めていったことを思い出せるんですよね。あれだけ苦労したオンプレコンテナ化も喉元すぎてもう忘れ気味なので(もう稼働してないですし)、そういう「想い」を冷めないうちに言語化してのこせたのが本当によかったと思っています。

なので、貴重な機会をいただいたAWS 様と、AWS 様に「発表してほしい」と言わせた開発に本当に感謝しています。ありがとうございました!


下記サイトよりセッションの動画と資料へアクセスできます。ぜひご覧ください。

18年目の SaaS 「Synergy!」の AWS 移行とモダナイズへの挑戦