TECHSCORE BLOG

クラウドCRMを提供するシナジーマーケティングのエンジニアブログです。

CTOが振り返るシナジーマーケティングの2022年

こんにちは。ここ2年ほど、年末にシナジーマーケティングのエンジニアリングを振り返ってきましたが、年をまたいだので、2022年の振り返りに加えて2023年の抱負をお話しします。

馬場 彩子(ババ アヤコ)
2001年入社のシナジーマーケティング最古のエンジニア(ほんとは2番目)。
お正月はデータ指向アプリケーションデザインを読みました。
すきなものはビールとカニ。きらいなものはチーズ。


2022年のエンジニアリング

シナジーマーケティングのエンジニアリングの2022年は「一区切り」といえる年になりました。Synergy! においては仕組み化と再現性の向上、Synergy! LEAD や 新規事業においては探索と検証の徹底を目指し、活動しました。

Synergy! の再生

既存事業においては、Synergy! です。2022年は、なんといっても2つの大きなプロジェクト、 FROG と NEWT が 完了した年でした。

FROG は オンプレで稼働していたSynergy! / Synergy! LEAD を AWS に移行するプロジェクトです。2020年に開始し、予定より 2ヶ月遅れの5月に完遂しました。システム移行後も運用改善のためのインフラ整備や最適化を進めていましたが、思いのほかスムーズに運用も軌道にのり、負荷の軽減を実感しています。

夏に当時のAWS SA 濱さんとともにプロジェクトを振り返りました。AWS Summit に登壇した のもよい思い出です。

左から二番目が馬場

NEWT プロジェクトは、20年近く前にローンチしたSynergy!の機能をモダナイズし再生するプロジェクトです。これも2020年にスタートし、2022年8月にいったん「完了」しました。実はまだ再生は道半ばなのですが、プロジェクトとして進めるフェーズは一区切り。今後はプロダクトライフサイクルの中で、機能を進化させていきます。リリースサイクルを高める土台がシステム・チーム両面に備わりました。

プロジェクトマネージャーたちとの振り返り では、全員から成長の手応えの声が聞けました。リリース数、要望対応数も着実に増えているんですよ

右肩上がり

再生したインフラとアプリケーションに合わせて、開発・運用の体制も見直しました。機能開発のために都度プロジェクトチームを組成する体制から、同一のメンバーが特定の機能の開発と運用を担うプロダクトチーム体制に移行しました。特に運用体制とフローの移行は大変で、最終形の設計をした上で丁寧に技術移管などの移行手順の計画と実行をしたからこそ実現できました。システムのマイグレーションと同じですね。 課題がもわっとした状態から、ひとつひとつひもといて実行していた記録です。

システムやチームが大きく変化した中、Synergy! がばらばらにならずにひとつのサービスとして進化できたのは、プロダクトマネジメントの力です。2021年から構築していたプロダクトマネジメントフレームは、2022年下期から運用フェーズに入りました。プロダクトマネジャー、プロダクトマーケティングマネージャー、デザイナーが一体となり、各プロダクトチームを導いてくれました。

Synergy! LEAD の変化、新事業の模索

Salesforce のためのマーケティングツール、 Synergy! LEAD も、2022年に大きく変化しました。2022年、Webフォーム機能がSalesforce上のさまざまなオブジェクトと連携できるようになりました。この機能のリリースにあわせ、料金体系の変更も実施しました。多くのお客様が利用しているサービスの料金の変更は勇気が必要ですが、前例に安住することなく、お客様にわかりやすい形になりました。

2021年にも 2つのサービス(Synergy! BCS 、en-chant )をリリースしましたが、2022年はさらに地域創生事業「re:connect」を立ち上げました。プレスリリースにあわせて、CLUB SHIGA KOGENラーケーション阿蘇 、と複数のサービスをローンチしています。しっかり、ビジョンをソフトウェアとして体現しました。

2022年まではソフトウェアつくりに邁進した年だった

FROG・NEWTは、いずれも「再生」のプロジェクトです。作り直しとはいえ、実態としてはインフラもアプリも0から構築しています。それもかなり大規模なソフトウェアを、です。現在のサービスを運用しつつ移行することは、新規開発とは違う難しさがあります。そこを成し遂げたのは、チームにソフトウェアを「創る力」と「動かしつづける力」があることの証拠です。Synergy! LEAD も 新サービスもそうです。これは、とても誇れることだと感じています。

2023年の抱負

しっかり創ってつくってつくりまくった2022年でしたが、つくった量に比して「お客様がシナジーマーケティングのソフトウェアで解決できる課題」は増えていません。これが2023年のテーマです。

Synergy! は 2005年にローンチしたサービスです。WebアプリケーションはSIer に構築してもらうしかない時代に「CRM を実行するための Webアプリケーションを自分でつくれる SaaS(当時は ASP) 」としてスタートしました。ノーコードで顧客の情報(データ)を収集、蓄積したデータから顧客理解を深め、その顧客にあったメッセージを企業から届け続けることができる。Synergy! は 企業の最初のデジタルマーケティングツールとして受け入れられました。

2023年。お客様がクラウドサービスを使うのは当たり前になり、多くの企業が、SaaS や 自社システムを組み合わせて業務をしています。あらゆる業務がデジタル化され、大量のデータが簡単に収集できるようになりました。そのデータを活用したいと考える企業は増加しています。ただし、データの活用が容易になったわけではありません。業務に使うデータをいろいろなシステムからかき集めて加工してSaaS にインポートするのは、とても手間がかかります。インポートできずに活用しきれていない場合もあるのではないでしょうか。

当社は、個社の課題にそったマーケティングを伴走型で実現する人的支援で評価されてきました。ただ、伴走型の支援は、Synergy! のカスタマイズ性・拡張性が高く、サービスが安定稼働しているからこそ活きています。

Synergy! は 、企業から人に「必要な情報を、それぞれにあったタイミング、デバイスに届け」てきました。この技術をSaaS(システム)間情報連携に応用し、企業担当者が ほしいデータを、活用しやすい形、使い慣れたツールに届けるようなサービスを妄想しています。Synergy! とシナジーするデータ活用プロダクトがあれば、新規事業の仮説検証もドライブできるんじゃないかな。もちろん、そのためには、Synergy! 自身が進化し続けることが必須条件です。

PMF (プロダクトマーケットフィット)を繰り返す

年末に参加したイベントで、Sansan CTO の藤倉さんが「PMF は1回ではない」と話していました。特にSynergy! は 20年近く提供しているプロダクト。この間にマーケットが変化していることは必然です。なので、2023年は「データ活用」にコミットし、何回目かのPMF を達成したいと考えています。

こんなことを宣言するのも、2022年のチームのソフトウェア創造力を見せつけられたからです。2023年もやっぱり期待しかないですね。引き続きよろしくお願いします。

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