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クラウドCRMを提供するシナジーマーケティングのエンジニアブログです。

シナマケ ミートアップ LT 会 vol.3 レポート – 失敗から学ぶエンジニアと「翻訳力」の重要性

「シナマケミートアップ LT 会」は、IT やクリエイティブが好きな人が集まって、お互いの知識や経験を気軽にシェアしたり、交流を深めたりできる場所です。こちらは大阪梅田でオフライン開催しており、シナジーマーケティング株式会社が運営しています。
2025 年 5 月 21 日、シナマケミートアップ LT 会 vol.3が開催されました!今回も熱気あふれるセッションの数々で、参加者一同、多くの学びと刺激を得ることができました。

今回は、特に印象的だったセッションをピックアップしてご紹介します!

2 年目エンジニアが見つけた「とにかくやってみる」大切さ

トップバッターは、シナジーマーケティングの「Synergy! LEAD」の開発に携わる 2 年目エンジニア、伊藤 夏葵さん。初期研修から本配属、そして GitLab CI/CD や Cloud Formation といった技術に触れる中で経験した「失敗」と、そこから得た「学び」について語ってくれました。

結合テスト設計の手戻り、CI/CD ステージング環境の破壊、実装漏れ…誰もが経験するであろう失敗談。しかし、そこから導き出された「とにかくやってみる」「失敗しても大丈夫」「知識をつなぐのは経験」という言葉は、彼の成長を感じられました。

特に印象的だったのは、「CI/CD が一番楽しかった」という言葉。複雑な処理を実現することに楽しさを見出す姿勢は、まさにエンジニアの鏡だな、と感じました。Marp と CSS で作成されたというスライドも、エンジニアならではのこだわりが光っていました。

スクラム開発と「余白」の重要性 – ベロシティを守るために

続いては、@164さんによるスクラム開発のお話。スクラム開発を成功させる上で「残業しないほうがいい」と力強く主張していました。

ベロシティ」はチームの火力を表す指標。事業要件を満たすために残業しすぎることがベロシティというチームの「基準」を壊し、結果的にチーム本来のパフォーマンスが見えなくなることを教えてくれました。

さらに、「余白がなくなるのが致命的」という言葉も心に残りました。日々の業務に追われる中で見落としがちな「振り返り」の重要性、そして余白があることにより「透明性」「検査」「適応」というスクラムの 3 本柱を実践できること。なかなか知れない他社チームのリアルな状況や Tips が知れる良い機会になりました。

「遊びごころ」と「AI」が切り開く、学習支援 LINE ミニアプリの可能性

LINE ミニアプリ  Tappuri Assistant の開発について発表してくれたのは、本間さん。

大学のゼミで学生とのコミュニケーションをするために、Cursor を利用して知識 0 から LINE ミニアプリを開発したとのこと!課題提出の「5 秒後にほめる」機能、MBTI グループ分け機能など、ユニークな取り組みの数々に会場からは笑いが起こっていました。GAS(Google Apps Script)から Supabase へのアーキテクチャ変更、そしてグループの貢献度をメッセージ内容と発言回数から AI に考察するなど、技術的な深掘りも怠りません。

特に面白かったのは、「自分がいないと発言が多い」というグループダイナミクスの発見。そして、AI を活用して LINE 会話履歴にトピックをつけ、会話の分類や得意ではない話題を炙り出すという、AI への期待が膨らむ話も。

College is basically for fun and not for learning」というイーロンマスクの言葉を紹介し、遊び心を忘れずに探求する姿勢が、新たな発見につながることを示唆してくれました。

後の懇親会では「AI と言い争いながら、アプリをつくっていった」とのこと。とはいえ、プログラミングに全くふれたことのない人が、AI Agent の力だけを借りて、バックエンドがAIのアプリを作り、それが十数人のユーザーに利用されているのは、とても「今」の話で、ワクワクしました。本間さんの「たまたま近くだったので、イベントに参加して LT した」という勇気にも感謝です!

「抽象」を「具体」にする「翻訳力」の磨き方

トリを飾ったのは、プロダクトデザイン部 部長の小野寺さん。FAVTOWN のプロダクトマネージャーでもあり、その経験から導き出された「抽象を具体にする」ことの重要性について語ってくれました。

「もっと安心感ある感じで」「シンプルにしたいよね」といった、日常的に飛び交う抽象的な言葉。これらが「感覚・概念・曖昧な状態」としての抽象であり、「構造・行動・選択肢」としての具体にどう変換していくか、職種ごとの「翻訳のパターンや順番」を知ることの重要性を教えてくれました。例えば...

  • デザイナー:「印象」から「設計」へ、感覚を視覚構造に変換するプロ。ワイヤーフレームでの先出し設計など、選択肢を表現することにより意思決定を促す、など具体的なアプローチが紹介されました。
  • PM:やるべきことを選び抜くナビゲーターとして、意見が違うときの対応策も。
  • BizDev:「良さそう」から「動いてくれる提案」へ、顧客を実際に動かすための「価値筋ストーリー設計」や「3 案提案方式」など、実践的なノウハウが披露されました。

「なんとなくこうしたい」をどう具体にするか。「違いはすれ違いではなく、翻訳」であると小野寺さんは語っていました。翻訳力を身につける方法として、「仕事外の、どうでもいいところで、からみにいく」というアドバイスもユニークで、職種の違いを超えたコミュニケーションの重要性を改めて感じさせてくれました。


今回のシナマケミートアップ LT 会も、エンジニアリング、プロダクトマネジメント、そして学生アプリまで、多岐にわたる分野での「学び」と「気づき」が満載でした。登壇者の皆様、そしてご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!

次回のシナマケミートアップ LT 会も、どうぞお楽しみに!

馬場さんのプロフィール画像
馬場彩子(ババ アヤコ)

シナジーマーケティング株式会社 取締役兼CTO。
好きなものはたびとかに。きらいなものはチーズと申請。

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