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エンジニアが「数字を意識する」ことの重要性

私は正直「数字」を元に論理的に判断し、思考することは非常に苦手としています。 ですが、エンジニアが「数字を意識する」ことは非常に重要だと考えています。

そう考える理由は、私が現在「Synergy!LEAD」というプロダクトを受け持っているということもあるのですが、さまざまな数字を見ていると、その変化や兆候を発見・推測するスキルを身につけることができるからです。

エンジニアからはじまり、現在では営業対応、マーケティング、サポートなど幅広く経験してきた私が、プロダクトオーナーとして数字を苦手なりにも見始めてから約6年が経過し、そこから得た経験をもとに「数字を意識する」ことの重要性をお伝えできればと思います。

「数字を意識する」ってどういうこと?

あなたは、昨日何時間働いていたでしょうか?働いた時間は、過去数カ月間の労働時間と比較して多かったですか?少なかったですか?

上記のように働いている時間を振り返る人はいないと思いますが「数字を意識する」とは、まさにこのようなことです。

労働時間を例に上げましたが、私はプロダクトを管理する立場上、プロダクトの開発にかかっている「開発工数」を確認しています。
メンバーに割り当て可能な開発工数の大まかな予算を算出し、どの程度開発に費やしているかを確認しています。難易度の高い開発や、突発的な調査、障害などにより残業が発生し、想定よりも上振れすることもあるでしょう。そうした「変化」を早めにキャッチできるようにするために、私が見ている数字は開発メンバーにも公開をしています。

「開発工数」を継続的に見ることで、開発メンバーに負担がかかっていないかなどをチェックするきっかけにもなりますし、業務改善のポイント発見にも繋がります。

私は数字を意識するなかで重要なことは「変化」に気づくことにあると考えています。

開発現場での「数字」とは?

開発工数から離れて、開発現場において意識する「数字」は何があるでしょう?

インフラ周りでは「ディスク使用量」「メモリ使用量」「CPU使用量」などがあるでしょう。アプリケーションでは「画面アクセス数」「各画面内の操作頻度」「画面滞在時間」などユーザーエクスペリエンス目線でのお客様の利用状況などが代表されるものかなと思います。

上記に挙げた数字は、その瞬間の数字を見ても意味や大きな効果を発揮しませんが、長い期間蓄積して分析することで、おおよその傾向や、次に起きそうな変化を推測できるようになります。

例えば数字から、以下のような気づきを得ることができます。

  • 毎日一定時間帯に、メモリをすごく消費している機能があるな。重たいバッチ処理があるのかな?メモリが溢れて障害になる前に対策しよう。
  • ずいぶん、この画面の滞在時間が長いな。もしかして操作に迷われているのかな?お客様にヒアリングをして改善策を検討してみよう。
  • この機能、すごく利用いただいている!みんな望んでいた機能なんだ!機能をもっとプロダクトとして推してもらえるように情報を共有しよう。

弊社が提供しているプロダクト「Synergy!」や「Synergy!LEAD」では、さまざまな数字を駆使して、障害が起きる兆候をいち早くキャッチして未然に防いだり、各機能の利用状況を分析して、より良くご利用いただくための機能改善に役立てたりしています。

「数字」は身近に溢れている

このようにエンジニアの身近にも、たくさんの「数字」が溢れています。ただ数字に触れるのは、なかなか面倒なことなんですよね。なので、自分が見てみたい数字を、まずは発見してみてはいかがでしょうか?

「ここを数字化すると、こんな傾向が見えるんじゃなかろうか?」と自分で考え、継続して蓄積することで、もしかすると面白いものが見えてくるかもしれません。別に業務に直結してなくても、例えば日々の体重であったり、睡眠時間など、普段の興味関心が徐々に業務に還元されてくることもあります。

記事をご覧の多くの方はエンジニアだと思われます。慣れてくると、そのうちに分析の仕方を工夫したくなったり、グラフ化したり、簡単に記録できるようにしたりなど、カスタマイズしたくなっちゃいますよね?
楽しく数字と触れ合うことも「数字を意識する」ための第一歩です。

エンジニアこそ「数字」で語れるようになるべし!

私がエンジニアとしてバリバリ仕事をしていたときは、論理的に語ることが苦手で下手であったと実感しています。しかしながら、自分のやりたいことや、自分の思いを周りに受け入れてもらい、物事を進めていくためには裏付けが必要になります。そういった場合に「数字」を利用することで、論理的に組み立てられることができるようになるんです。
ただ、自分が想像で勝手に作り出した数字ではだめで、事実や一般的な情報からの仮説に基づく必要があります。

先にお話したとおり、意外と身の周りには「数字」で溢れています。はじめは難しく考えてしまうと思いますが、蓄積されているものであればあるほど、数字に対して意味が見出され、推測の裏付けがしやすくなり話を組み立てやすくなります。

ぜひ、エンジニアのみなさんが「数字を意識する」ことに興味を持ってもらい「さらに成長してほしいな」ということを願って締めくくりたいと思います。

じゃあ、いつから「数字」を見始めるの? 今でしょ!!

矢熊 吉成(ヤグマ ヨシマサ)
Salesforceの業務に携わって約9年。営業/案件/コンサルティング/プロダクト企画/開発/保守/サポート/マーケティング/カスタマーサクセスの全てを見ている、いわゆるなんでも屋。今はSalesorce完結型のマーケティングツール「Synergy!LEAD」のプロダクトオーナーを担当。前回は Salesforceをノーコードで使い倒すためのフロー をご紹介。


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