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Google Optimizeの「カスタマイズ」機能をGTMで代替する方法

Google Optimizeは無償から利用できるABテスト・コンテンツパーソナライズツールとしてマーケターにも重宝されているサービスであり、弊社でも利用しています。しかし、2023年1月に9月末でサービスを終了すると、突然の発表がありました。
弊社でも代替サービスを探さざるを得ない状況となり、その検討や代替に関するご紹介です。

Google Optimizeの用途について

各種セミナーや機能紹介コンテンツへの誘導など、いわゆるマーケティングメッセージをユーザーへ伝えるため、弊社クラウドサービスの管理画面上にバナーを表示するように工夫しています。
そのバナー掲載は開発者の手を煩わせずとも、マーケターが任意のタイミングでコントロールできるよう、Google Optimizeのカスタマイズ機能を利用しています。

導入時にはWeb接客サービスと比較検討をしましたが、Web接客ツールはリクエストのボリュームにより課金されたり、上限が設定されていることがほとんどで、低価格なサービスでは利用規模の想定に合わず、規模が大きくとも利用可能なエンタープライズ向けは費用が高額過ぎる状態でした。
そもそも求めている機能が限定的だったためGoogle Optimizeのカスタマイズを採用し、開発者の手を借りず、マーケターの好きなタイミングでバナー配信運用ができておりました。

突然のサービス終了😣

2023年9月末でのサービス終了に伴って代替案を検討することになり、改めてABテストツールやCMSを調査するも、当初導入時の調査結果と同じくWeb接客ツールは利用規模想定や価格が合わず、最近ではヘッドレスCMSなんていうモダンな仕組みもありますが、自社製品への組み込みも必要なので、それ相応のコストが必要になります。
手軽かつ適当なサービスが見当たらないため、もはや開発者にバナー掲載を依頼する形での運用を考えないといけないかと、思い始めておりました。

一筋の光明💡

しかし、そもそも実現している事の実体としては「マーケターが任意のタイミングでWebサイト・サービスの特定箇所にマーケティングメッセージ用のHTMLを差し込む」という事だけなのですが、それを実現してくれる都合の良いサービスなんてないな…と考えていた中、いやいやGoogle Optimizeの配信にも利用しているGoogle Tag Manager(以下、GTM)の「カスタムHTML」を使えば、近いことが実現できるのでは?と気付きました。まさに灯台下暗し。

本当に使える?

そうと分かれば試してみましょう。 概念としてはGoogle Optimizeでバナー置き換え用に使っていた空のDIVタグを任意のHTMLに置き換える事ができれば良い。ということで、GTMのカスタムHTMLでJavaScriptを動的に挿入、outerHTMLでバナー用のHTML/CSSに置き換える。という形でやりたいことが実現できました。

その他、実運用においては可用性が求められることはもちろん、公開・非公開のスケジュールを予約したり、Google Analyticsと連携したり、テスト時にプレビューで確認したりと必要になる事柄も地味に多いのですが、GTMであれば、問題ありません。
無事、GTMによるバナー配信管理を今後運用していける目途が立ちました!

まとめ

今回代替案を検討するにあたり、求めている機能に対して正面から利用するサービスを検討することで要件としてはGTMで代替できる事に気付くのが遅くなりました。このことは、常に柔らかい思考を持って物事を考えたいな、と思うきっかけにもなりました。
また、Google Optimizeが終了する事について、当初は若干の恨み節もありましたが、他方、無償でこれだけのことができるGTMを提供してくれているのも非常にありがたいことだと思います。
そのことに改めて感謝しつつ、利用しているサービスの終わりはいつかやってくるということを念頭において、今後も様々なサービス利用をして業務の効率化をしていきたいと思います。

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