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クラウドCRMを提供するシナジーマーケティングのエンジニアブログです。

2021年度の新卒エンジニア向け技術研修を紹介します

シナジーマーケティングでは2015年からエンジニアの新卒採用をしています。 当社では毎年、エンジニア全員で試行錯誤しながら新卒エンジニアの育成をしています。 この記事では、新卒エンジニア向け技術研修の中から講義の内容についてご紹介します。

松田 直哉(マツダ ナオヤ)
2020年シナジーマーケティングに新卒入社。
自然派エンジニアを目指して頑張ってます。
山登り/ダイビング/ボルダリングが趣味です。

当社の新卒エンジニア研修について

シナジーマーケティングでは、新卒エンジニアがスムーズに業務に入っていけるよう、毎年研修を行っています。主に新卒2~3年目社員が「トレーナー」として研修を担当し、4年目以降の社員がそのサポートを行っています。これには以下の狙いがあります。

  • 1年目社員(研修を受ける側)にとって
    • 2~3年目社員は身近なのでコミュニケーションがとりやすい
    • 次年度以降の業務をイメージしやすい
  • 2~3年目社員(研修を提供する側)にとって
    • 自身が新卒の時に失敗したことやつまずいたところのカバーをしやすい
    • 指導するにあたって、これまで以上に技術の理解が必要になり、復習することで理解が深まる
    • チーム運営やタスク管理の能力が身に付く

シナジーマーケティングではリモートワークを積極的に活用しています。そのため今年の研修はほとんどリモートで実施しました。

新卒エンジニアは入社後、部署を問わず、共通するスキルや社内ルールなどを学ぶために社会人基礎の研修を受講します。その後、エンジニアとしての基礎を学ぶために外部の研修を受講します。外部研修が終わり次第、我々が内製化している新卒エンジニア向け技術研修に参加してもらいます。

社会人基礎研修

  • 電話対応の行い方 /名刺交換の行い方 / 日報の書き方
  • 社会人としての話し方 / プレゼンテーションのテクニック など

社外研修

  • Java技術研修(2020年度の実施内容
    • 変数、if文、for文など言語共通の技術 / オブジェクト指向 / データベース
    • システム開発の工程 など

社内研修

  • 講義(後述)
  • 演習
    • Linux / データベース / WEBアプリケーション
    • Docker / Git など
  • 実践研修(OJT)
    • 技術や社内ルールなどの知識がある程度蓄積された段階で、実業務を通じて実践的なことがらを学びます。

講義は1週間に2回程度、1回あたり30〜60分で行いました。

講義内容

この章では 講義名と内容の紹介、新卒へ伝えるための工夫点を記載しています。

講義ではシステム開発全体のことを知識として学んでもらいます。研修が終了すると新卒エンジニアはバックエンドやフロントエンドのチームに配属されます。更にその後はプラットフォーム、QA、PMと多様なポジションの業務を担当する可能性もあります。その準備のために、直近で必要になる技術だけでなく、どのポジションについても活躍できる人材となるために必要な技術は何かという観点から、これらの講義を選定しました。

講義名 内容、工夫点
Linux 基礎的なコマンド / 使用した業務例の紹介を交えて、実際に使用した業務や使うであろうシーンを記載して、用途を想像しやすいように
Git(バージョン管理システム) バージョン管理システムとツールの違い、基礎的なコマンドと業務で使用するコマンドなど幅広く
データベース 比較的初歩の概念(ACID特性、制約など)を多く含めて、初学者でも入り易く分かり易いように
Webアプリケーション フレームワークや実際のコードについて
セキュリティ 情報セキュリティや暗号技術のコアとなる要素について
ネットワーク/Web基礎 TCP/IP、DNS、HTTP、REST などについて基礎的な解説
プロジェクト管理/開発手法 システム概要や設計などのドキュメント、PMやPLの役割、Issueやチケット管理、見積の精度を社内での使用方法を交えながら解説
マイクロサービス マイクロサービス、モノリシックという概念に加え、Docker、Kubernetesなどの技術について
マイクロサービスはSynergy!開発において重要な手法であるので、Synergy!での具体的な適用方法や、歴史的な経緯についても解説
API 一般的に使用されているAPIの規格や認証方法について
1点を細かく解説するのではなく、あえて広めに触れることで、各自で掘り下げる余地を残すように解説
フロントエンド HTML、CSS、React、Angular などについて
フロントエンドエンジニアの業務について1日の流れなどを混ぜて、1年後の自分を想像できるように、また、知識と業務の関係性などについて解説
運用・保守 保守と開発の違い、保守の監視ツールや脆弱性調査の方法を過去の事例を交えながら
品質管理 業務にすぐに生かせる具体的なテスト技法だけでなく、なぜ品質が大事なのかイメージしやすいように、障害事例を解説
クラウド(AWS) AWS Solution Architect Associateの試験範囲をもとにAWSの主要な機能や、はまりやすいポイント、コストなどについて

まとめ

去年は2人で講師役を担当していましたが、今年は多くの人に講師役を担当してもらいました。 それぞれの得意分野を生かした講義内容となり、また、準備時間も多く取れるので、正確かつわかりやすい講義、資料ができたと考えています。質問などを通じて、良いコミュニケーションも生まれました。

改善点は、全ての講義を対面で行っており講義にさける時間も限られているため、深堀ができていないことです。 来年はいくつかの講義をビデオ収録し、講義数を増やしていければと考えています。

最後に

私も昨年の新卒研修をリモートで受けました。リモートワークの環境にも徐々に慣れてきたから大丈夫だろうと少し思っていましたが、始まれば上手くいかないことの連続でした。同じような資料を複数作成したり、研修課題を提出されてから課題の文章が悪かったことに気づいたり、進捗管理で把握できていない部分があったりと周りに助けを求めることがありました。ただ、先輩達からのアドバイスや新卒からの報告で大きなミスはなく伝えなければいけないことは伝わったのではないかと感じております。今年の反省を活用し、来年はさらに業務に必要な多くのことが伝わるように体制や資料をアップグレードしていきます!

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