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コロナで突然の(全員)在宅勤務。そのときエンジニアは?

緊急事態宣言が解除され、少しずつ日常が戻りはじめました。

当社では新型コロナウイルス対策として、2月末から段階的に在宅勤務体制へ移行し、4月中旬~約1ヶ月間は原則出社禁止としていました。現在は必要に応じて出社していますが、「密」回避のために出社人数を1/4程度に抑えています。社内アンケートによると、幸い多くの社員が大きな支障なく業務ができているようです。

当社の従業員250名のうち、エンジニアは約30%。他の職種に比べるとエンジニアは在宅でも働きやすいとも言われますが、コロナ前の当社は在宅勤務体制が整っていませんでした。今回突然の、そしてほとんどのメンバーがはじめての在宅勤務となり、その中で困ったことやチームでの工夫、今後の働き方について、業務が異なる3チームのマネージャーにそれぞれ話を聞きました。

case1:コミュニケーションロスの原因を理解して乗り越える

まずは全社的に在宅勤務が推奨されるとすぐに全員在宅に切り替えたチームを紹介します。

聞いた人:クラウド事業部第四プロダクト開発グループ 平奥真一さん
仕事内容:クラウドサービスの開発(主にフロントエンド開発)


全社方針に沿って一斉に在宅に切り替えた平奥さんのチーム。当初は

  • 運動不足で体調が優れない
  • そもそも快適に仕事ができる環境ではない
  • 離れて働くことに慣れておらずコミュニケーションロスが発生する

など様々な問題があり、一時的にパフォーマンスは低下したといいます。

しかし、次第に環境も整い在宅勤務にも慣れてくると、社内にいるときと同じように業務が進められるようになりました。中でもコミュニケーションについては、「個人のスキルや仕事の進め方・スタイルが異なることがコミュニケーションロスの原因である」とメンバー一人ひとりが理解して工夫するようになったことで、随分仕事がしやすくなったそうです。今では逆にコミュニケーションが密になり、事細かに説明しなくてもなんとなくわかるというレベルに達しているそうで、「これはコロナをきっかけに得たスキル」と語ってくれました。


突然の環境の変化をマイナスだと捉えずに、チームで乗り越えている様子がとても印象的でした。ちなみに、今では「出社するメリットが全くない」というメンバーまで出てきているそうで、毎日当たり前のように出社していた日々は何だったんだろうと少し不思議な気持ちになりました。

case2:弱くなったノンバーバルコミュニケーション。諦めも大事

続いては、一斉には無理だったものの、徐々に在宅勤務に移行したチームです。

聞いた人:クラウド事業部プラットフォームグループ 和田亮介さん
仕事内容:クラウドサービスや受託開発のシステム基盤の企画/構築/運用


当社のインフラに携わる和田さんのチームは、営業時間外の緊急事態発生に備え、出社せずにある程度の業務ができる環境は以前から整っていました。しかし、そうした緊急対応要員でないメンバーの中にはデスクトップPCを利用している人もいたため、ノートPC貸与の手配ができるまで、まずは可能なメンバーから在宅勤務に移行しました。在宅ができないメンバーと和田さん本人は出社して業務をしながら、並行してノートPC貸与の準備や派遣元との調整を急いで進め、順次在宅勤務に切り替えました。(ただし物理的に機器を操作する場合など、在宅ではできない業務を行う場合は出社。)

和田さんのチームも在宅勤務は初めてでしたが、「メンバーが自律的に動いてくれて特に困っていない」といいます。一方で、相手の口調や表情などから感じ取るいわゆる「ノンバーバルコミュニケーションが弱くなっているのは間違いない」とも話してくれました。これについては、チャットツールの分報でできるだけ「察する努力」をしていて、それでもわからない場合は「(察するのを)諦めている」とのことです。

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「日報」ならぬ「分報」の一コマ。今やっている業務、考えていること、ちょっとした疑問、雑談など、各メンバーが思いのままに投稿し、他のメンバーと共有するもの。

そばにいないと相手の様子や業務のプロセスが見えづらくなるというのはエンジニアに限らず他のチームでもよくある話なので、他社での取り組みなどを参考にしながら全社的に考えていく必要がありそうです。

case3:いい意味で「変化なし」

最後にもう一チーム。case1と同じく早期に全員在宅に切り替えたチームですが、少し事情が違うようです。

聞いた人:メディア事業部エンジニアリンググループ 小野寺俊也さん
仕事内容:広告関連サービスの開発


このチームは他社に出向しているメンバーもいて、もともと離れた拠点で仕事を進めることに慣れていたため業務上困ることはなかったとのこと。話を聞いていると、

「通勤がなくなったことで、体力を消耗せずに済んでいます」
「(会議室への移動などがなくなり)テレビ会議が格段にしやすくなりました」
「オンオフの切り替えが難しいというメンバーもいますが、目立ったパフォーマンスの低下はないです」

……困ったこととその打開策を聞くつもりでしたが、このチームは特になく、いい意味で変化がなかったことがわかりました。case1,2で聞いたような、相手の状況がわからないからコミュニケーションが取りづらいということもなく、小野寺さんいわく「そんな空気を読む人はいない」そうです。さらに、出向しているメンバーは出向先と当社の間にある文化や働き方などの違いに時には戸惑いながらも、何事も迷ったときは「善意に基づき信頼しあって進めてきた」そうです。


離れて仕事をすることに慣れていて、かつ離れていても問題なく仕事ができるという実績があるからこそ、今回もスムーズに在宅勤務体制に移行できたような印象を受けました。在宅が主流になってくると、「空気を読まない」スキルが必要なのかもしれません。

結論:みんな柔軟だった。

突然はじまった全社的な在宅勤務体制。ほぼ全員が初心者だったにも関わらず、困ったことは意外と少なく(あっても長くは続かず)、柔軟に対応していることがわかりました。今後の働き方について聞いたところ、最大のパフォーマンスを発揮するために、働く場所は個人/チームである程度自由に選択できたほうがいい、というのが共通した回答でした。実際「出社するメリットがない」という人もいれば「家だと働きすぎる」、「会社の方が集中できる」という人も。在宅勤務(「在宅」である必要があるのかも含め)については今後どうなっていくのか、現時点ではわかりませんが、どこにいても成果を出せる組織でありたいと思います。